双葉社の江戸川乱歩著・東雅夫編のkindle版「文豪怪奇コレクション 猟奇と妖美の江戸川乱歩」を読んだ。収録作の中で「蟲」と「お勢登場」が初読だったが、どちらも恐ろしく衝撃的な作品だった。
今回読んでいて一番印象的だった「蟲」は、冒頭から丁寧に描かれる主人公の人となりや性格など諸々に結構な感情移入をしていたので、作中でその人の遂げる末路やそれまでの道筋に、恐怖と涙を禁じ得なかった。ここまでの惨事に繋がるかは置いておいて、思い込みや勘違いからのすれ違いが招く悲劇という作りは妙に身につまされるものがある(涙)。
「目羅博士の不思議な犯罪」が海外作家の作品を翻案したものという事を本書籍を読んで初めて知った。また積読が捗ってしまうわね。